さらば、ロボカッター
ロボカッターをご存知であろうか。
一昔前、TVショッピングなどで紹介されたヘアカットマシンである。
マシンと言うと大袈裟に聞こえるが、一言で言えば巨大な髭剃りのようなものである。本体そのものはプラスチック製の筒である。大きさはドライヤー程度。その末端に家庭用掃除機を装着する。筒状の本体内部には回転刃が付いており、掃除機の吸引力によって吸い込まれた髪をザクザクと掻っ切っていくというもの。
誰でも簡単に安全にヘアーカットでき、単純に髪を切るだけなら、うたい文句どうり理容院に行く必要はない。
慣れればヤマピーやブッキーもお手の物である。
私はロボカッターを購入して数年、1度として髪を切りに行ったことがない。
今では10分もあれば散髪完了。前髪は吉田拓郎、襟足は山本譲二、頭頂部はバービーボーイズといった具合に変則的なヘアスタイルで日々を過ごしている。
しかし、先日、缶チューハイを買いに西友へ行ったときのこと。
店内に床屋があるではないか。
10分1000円。
どこかやましいその響きに期待して扉を叩いてしまった。
食券のように自販機で券を買い、番号が呼ばれるまで長椅子に座って待つ。
スマイル満点のお兄さんがサクサクと髪を切っていき、10分後、鏡に映る私の姿はまるでピカピカの1年生。
これは俗にいう「坊ちゃん刈り」かと衝撃を受けたのだが、座ってるだけで髪が切られていくのって楽チンである。
ロボカッターを操るのは腕力がいるのだ。夏など汗がダラダラと流れるし。
同じ時間ならこっちの方が楽かな。1000円ってのも魅力。頭頂部もツンツンしてない。
愛用してきたロボカッターに別れを告げる日が来るのか。
オハツ頭に吹く春風が心を揺さぶる、そんな出来事であった。
八朔







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