牛尾山
ゴールデンウィーク。
特に予定はない。金もないし、やる気もないが、時間だけがあり余っている。
週明けから繰り返した天皇賞の予想もトウショウナイトの予後不良により、また振り出しに戻る。もう何でもいい。
「仕事をせえよ」というデビルの声をかき消し、何か予定を探してみるが、やりたくないことばかりが津波のように襲ってくる。
気温28度。ふざけた気候に外を見やれば、大陸からの汚染された風の向こうにそびえる山々が・・・。
鏡の中から聞こえるはメタボ挽歌。
行くしかない。
向かった先は京都と滋賀の県境にある牛尾山。
山科の子供たちなら誰しもがハナをたらしながら登った山である。
遠足にキャンプにと幾度となく足を運んだのはセピアな時代の話である。かつて軽やかに駆け上がった斜面も今や拷問に近い。
蛙岩、音羽の滝と各ポイントを通るたびに、ビールまでの時間と距離を推測してしまう。
引き返すこともこれまた勇気と呟いてはいたが、結局登りきってしまった。
牛尾山から音羽山へ。当然ここにはロープウェイもケーブルカーもない。チンケな山の痛さを少し呪う。
ここは比叡山を見習うべきである。
誰をたぶらかしたのか知らないがケーブルにロープウェイ、ドライブウェイと幾多の交通手段を整えている。観光客を追いかける賽銭箱お化けや、夜な夜な高速ヘアピンを攻めるポルシェ坊主まで現れるという。
ただ、あとはビールだけだと思うと膝の痛みも、踵の違和感も、太腿の張りも、足首の捻り具合も、腰の重さも、腕のだるさも、目のかすみも、頭痛も気にならなくなった。
所要時間約4時間。
歩数約21000歩、消費カロリー約900kcal、減った体重1.6kg。
帰宅して飲んだビール3本。
ゴールデンウィーク1発目のメタボイベントであった。
八朔







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